親方の独り言

 もう それは もう 日々 精一杯に あがきながら 住みゆく毎日
 
 リフォーム工事が たて続けに有り
 リフォーム工事は 特に 「やっちょって」 と 暫く 放っておく事が 出来ないので
 日々 様子を見ながら 「ああしよう」「こうしよう」の 計画修正の連続で
 図面・見積の時に 基本形は造って いるのだけれど
 ほぼ完了した 東泉寺の改修工事や
 今 真っ最中の「ばあちゃんに快適に暮らして貰う為の家」の改修工事は
 触る所 行く所 ほぼ全て 「現場合せ」で 毎日の様に 問題点が発覚し
 毎日の様に 担当棟梁と「ああしちゃろう」「こう納めちゃろう」「こねえ見せちゃろう」の打ち合わせが有り
 
 計画中のリフォームも 片手以上有り
 
 「二人とポールの家」は仕上げ工事追い込み中
 「囲む家」は 道路審査&基礎・刻みの段取り
 「ハイジの家」は 実施設計中
 「重ねる家」も 実施設計中
 
 題意未定の新築物件2件
 
 OB施主さんの所で 行かなければならない所7件
 
 とうとう いけない事に 年内の工事の依頼は お断りする状態に追い込まれてしまった
 
 わしは 「建ててくれる人」に 成り代わって ホンモノじゃ ないかも 知れんが
 「自分の持てる力全てを その現場 その現場 で 出し切って行く事」を 生業としており
 御施主さんの お金を一時 預かって
 「幸せになる為」「今より少し 快適に成る為」に その「お金」を使って工事をして行く
 よく 「工事請負」と言う言葉が 使われるが
 わし的には 「請け負った」のでは なくて 「人様の お金を 預かった」と感じていて
 
 内田工務店に 頼んでくれた人には 申し訳ないが
 工事する度に 「ホンに わし みたいな者が 預からせて貰って ええんじゃろうか」と思うのも
 事実であり
 
 一つ一つ 一所懸命 持てる力を 振り絞っちょる つもりでは あるけれど
 やっぱり なんちゅうか 「わし で 本当に ええんじゃろうか」と 思ったりもする
 
 これまた 頼んでくれた人(=施主さん)に 無礼な感じじゃないかと思うが
 「儲けさせて貰う為」「生活の為」「贅沢をしたい為」に
 わしは この家業(=工務店)を しているつもりは 更々なく
 巡り合わせて貰い 一生付き合って行く為の手段として
 わしは「工務店の親方」と言う技術を持ち
 施主さんの お金を「一時的に預り」
 施主さんに 幸せになって貰う為に 仕事をし
 その「預かったお金」を 協力業者や棟梁衆に配るのが 仕事で
 
 「預かっただけ」であり「自分の お金」では ないので
 棟梁衆に 毎月払う給料も
 協力業者に支払う代金についても
 彼らから「内田さん 有難う」 と言われる筋合いでも無く
 わしに 礼を言う位なら 御施主さんに言え と 思っており
 そのせいか どのせいか分からんが
 「内田さん振込ありがとうございました」と 言って貰った事も そんなに無く
 わし自身 それで良いのだ と 思っている
 
 仕事は 「やって下さい」「やりましょう」の世界であり
 わしを助けてくれる
 基礎屋・足場屋・板金屋・左官屋・白蟻屋・電気屋・水道屋・塗装屋・内装屋・建材屋・材木屋
 防水屋・サッシ屋・防水屋・棟梁衆
 てごのけんちゃん・営業庶務の大楽さん・岡本さん・妻や母親・弟・親族一同
 みんな みんな 「下請け」 でも 「上」 でも 「下」 でも無く
 わしには 下請け業者は いなくて
 みんな「仲間」だと 思っている
 
 「仲間意識で 仕事を するな」と思う奴は 思わせておけば よろしい
 みんな みんな 「内田に『恥』を かかせる仕事を しちゃあいけん」
 そう思ってくれているのは わし自信 肌身に感じており
 わしが しなくちゃいけん事は
 そんな皆に 「わしが したんじゃ」と誇れる現場を用意する事で あり
 年に数度 「あん時は こうじゃった ああじゃった」と 笑いながら話す一時を
 一緒に過ごす事であり
 
 お金は 大切じゃし 無くてはならない物だろうけど
 もう一歩 その上に わしらあの「想い」は あるんじゃと 思う
 
 擦り切れそうだが もう少し 踏ん張れば
 今まで 知らなかった・見えなかった工務店の姿 わし自身の姿が見えそうで
 この頃 何故にか 強い 愛妻の支えも有り
 もう少し 踏ん張って見ようかと
 もうちょっと もうちょっと と 日々を重ねている
 
 お金の話が 少々ずれたが
 この「請け負い」に関しては 常常 色々 考えさせられており
 また 機会あらば 触れてみたい
 
 
 

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