今流行は外断熱かもしれません。外断熱も確かに良いと思います。ただコストと環境を考えた時本当に良いのかどうなのかはこの「山口」という地域を考えると必要十分条件なのかどうかは正直「分からない」と思っています。北海道で施工されている「Q1.0 キューワン」住宅に一つの解法があるのではないかと感じています。
外断熱には必ず「高気密」「計画換気」が必要です。外断熱の考え方の基本は・・・
「計画的に換気をしたい」
↓
「気密をしっかりと取る(2以下)」
↓
「気密施工が比較的簡単な外断熱工法」
だと考えます。
北海道・東北・沖縄等の気候の厳しい地域であれば建築コストに対する効果は十分に有ると思いますが本当にこの地域に絶対に必要な工法なのでしょうか。外断熱する為に石油製品であるスチレンフォーム(グラスウールの場合はまだしも良い気がしますがこれも又施工方法が要注意)を使用し気密フィルムを貼り隙間には発泡ウレタンを充填し産業廃棄物を生産する事が本当にこの「山口」の地で必要な事なのでしょうか。
木は自然の断熱材です。
木材はそれだけでグラスウール10㎏品の半分の断熱性能があります。スプーンの端を火にかざすと熱くて持てないですが 割り箸なら持っていても大丈夫だというのが端的な証拠です。鉄骨系の熱伝導率の高い建物やコンクリート系の熱蓄積の高い建物なら外で断熱する考え方は必要な物かもしれません。しかし「木は天然の断熱材」なのです。この利点を利用しない手は無いのではないでしょうか。だから充填断熱(内断熱)がこの「山口」の地域であれば一番有効なのではないかと言うのが現在の自分の考えです。新住協のQ1.0プロジェクト(北海道型住宅)の考え方に近いと思っています。
そこで考え直させられるのが「倉」の構造です。
屋根は断熱材(土塗り屋根)の上に通気層(流し母屋)を施し一年中安定した温度・湿度を保つ事を目的とした構造を持っています。耐風・耐震への考慮を十分にしないといけない現在の建築工法とは若干違う部分もありますが学ぶべき点は多いと思います。昔ながらの「倉」の機能を現代工法で再現する。「通気+断熱+調湿」を求めた工法を選択しています。
詳しくは巡り会いの中でお話出来たらと考えます。